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エフドア利用者の声【 第5回 】岩澤佐知子さん~『とんぼ玉創作工房 函屋』オーナー/とんぼ玉作家 ~

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お名前 岩澤 佐知子さん
店名 とんぼ玉創作工房 函屋(はこや)
業種 とんぼ玉作家
活動エリア 主に藤枝市、熱海市、浜松市、関東エリア
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第5回目の「エフドア利用者の声」は、『とんぼ玉創作工房 函屋』オーナーでとんぼ玉作家の岩澤佐知子さんです。
岩澤さんの作品は、全国版の展覧会情報誌「つくりびと」の2016年10月号に掲載されました。また地元藤枝市、浜松市、熱海市など静岡県下のギャラリーをはじめ、東京や千葉の百貨店で個展を開催されるなど、広く活躍なさっています。
以前には日本を飛び出し、上海やソウルで宝飾展に出店なさったこともある岩澤さん。そんな岩澤さんに、とんぼ玉との出会いや作品づくりにかける思いについてなど、たっぷりお話を伺いました。

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Q.最初に、「とんぼ玉」について教えてください。

「とんぼ玉」はガラスで出来ていますので、まずは【ガラス】についてお話しします。
【ガラス】は世界的には、バイキングが紀元前2千年頃に発見したと言われています。バイキング達が海岸で煮炊きをしていた時、たまたま砂にガラスの結晶が出来ているのを発見したそうなんです。
ガラス作りはその後、中華圏を経由して日本へ伝来しました。とんぼ玉の技法は、法隆寺が建立された頃にもたらされたと聞いています。それは「法隆寺玉」と呼ばれ、今でも正倉院に残っています。“仏像を作る炉で製造された”という記録も残っていて、元々は高僧がお数珠など魔よけのために持っていたようです。
この技法はずっと継承され、江戸時代の庶民にまで伝わるようになりました。「とんぼ玉」という名称もこの時代に、《とんぼの目に似ている》ことから呼ばれ始めたらしいです。とんぼは縁起が良い昆虫だと元々考えられていたため、その目に似ている「とんぼ玉」もまた縁起が良いものとされました。

Q.長い歴史があるのですね。では、岩澤さんと「とんぼ玉」との出会いは?

今から15年ほど前、母と河口湖へ旅行に行った際に、久保田一竹美術館を訪れました。
その時、アンデスで作られたガラス玉を久保田一竹さんが装飾したというアクセサリーを観たんです。その美しさ・素晴らしさに心を打たれ、衝撃のようなものを覚えました。

これが私ととんぼ玉との出会いです。

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Q.その後、とんぼ玉を作り始めたのでしょうか?

実は、最初は息子に作らせようと思ったんです(笑)。当時息子がちょうど高校生でしたので、「その道を選んでくれたらいいな」と。…でも残念ながら彼は違う道を選びましたので、結局「自分でやるしかない」ということになり、まずは本当の基礎から静岡のとんぼ玉教室に通って教えてもらいました。習い始めたらそれがとても面白かったんです。

通い始めて半年位経った頃、その教室の先生が展覧会を開催することになったのですが、私も「作品を展示しないか」とお声掛けいただいたんです。出品したところ、それがテレビに出たり、他の方からも一緒に展覧会をしないかと誘っていただいたりとご縁が広がりました。
作品作りが面白く、もっと技術を上げたいと思い始めていた時、息子がある先生を探してくれたんです。名古屋にお住まいの、世界的にも有名なとんぼ玉作家の方でした。息子に「お母さん、凄い作品を作っている人がいるよ」と言われ、実際に見に行ってみたら、本当に素晴らしい作品だったんです。その方はたまに静岡へも教えにいらしていたので、お願いして教えていただくようになりました。

後に、その名古屋の先生から紹介してもらい、【レース棒】という技術で日本一という先生にも教えていただきました。長野県の安曇野にお住まいの方でしたので、指導を受けるためそこまで通いました。

Q.とんぼ玉の作り方について教えてください。

とんぼ玉はバーナーを使って製作します。ガスでは十分に温度が上がらないので、電気で酸素を送り、900度位まで温度を上げます。

溶接をする人が、熱を避けるために鉄仮面を着けるのをご存じですよね?それと同じで、熱から目を保護するため、私たちは鉄仮面の代わりに特殊な眼鏡を装着するんです。

作り方ですが、とんぼ玉は吹きガラスと違い、900度位のバーナーの上でガラス棒を溶かしていきます。
ガラスは溶けると液体になって落ちてしまうので、落ちないように遠心力で回し続けながら形作ります。ともかく熱いのでそれに負けないよう、ガラスが柔らかいうちに一気にやることが重要なんです。
そうやって一つ一つ手作りしたパーツを後でつなぎ合わせ、ひとつのアクセサリーに仕上げます。

image.jpeg(バーナー使用時の様子を再現してくださる岩澤さん)

とんぼ玉の制作方法について、もう少し詳しくお聞かせください。

まずステンレス棒の先に離型剤を付け、あぶって固まったらそこにバーナーで溶かして柔らかくしたガラスを乗せて、巻き付けていきます。その間、ずっと落ちないように回しています。
自分で作った「レース棒」、「金線棒」を巻き付けたり、点打ちで模様を付けます。

ガラスは、この【ガラス棒】から『細引き棒』を作ります。

DSC03184.jpg  鮮やかな発色の【ガラス棒】

さらに『細引き棒』を使って“レース模様”の棒(レース棒)・“花”の棒(花棒)を作ったり、金箔を貼り合わせて「金線棒」を作ります。

これらは、私のオリジナルの《マイ棒》です。

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「花棒」はカットして、バーナーの周りのトレーに乗せて、花パーツを熱くしておきます。

それをピンセットでつまんでとんぼ玉の上に置き、花を咲かすようにコテで押したりクリアーガラスで包みます。

DSC03218.jpg パーツ(左)を埋め込んだ丸玉(右)

ただのガラス玉ではなく、金・銀・プラチナ箔を使って、価値のあるとんぼ玉を作ります。

DSC03216.jpg【銀玉】                       玉を銀箔で包み、その上から「黒レース棒」でトリミングしました
DSC03226【金線玉】地玉のブルーグレイ玉に、アベンチュリンを粉にして上に乗せ、クリアガラスで包み、上から「金線棒」でトリミング

海外の方から見ると、日本人の作品は凝ったものが多いそうです。日本人が作ったとんぼ玉の作品を見て、「玉の中に宇宙がある」とか「人間が作る宝石」と言ってくださることもあると聞きます。

実は海外では、こうした作業は分業することが殆どなんです。例えば、レース棒を作る人はレース棒だけ作る、といったように。でも日本では基本的にすべての工程を自分で制作します。

Q.とても細かい作業ですね。こうした作業に駆り立てる思いとは、どのようなものなのでしょうか?

一番最初に作りたいと思ったのは《雪の結晶》です。1パターンが大体60度のパーツで、それらを試行錯誤しながら組み合わせて作りました。この原動力となったのは「作りたい」という思いでした。

とんぼ玉を作り始めて15年ほどになりますが、一貫してあるのは「良いものを創りたい」という気持ちです。誰かの真似ではなく、私ならではのオリジナルを作りたい。根底にあるこの気持ちが、私を制作に向かわせているのかもしれません。

Q.どんなことにこだわって制作されていますか?

人によっては玉の部分の制作だけに注力し、出来た後は皮ひもを通すだけ、ということもあります。でもそれでは、せっかくの作品が生きない気がしてしまうんです。
私は、作品全体の価値を上げたいと思っていますので、全体にこだわって制作しています。
金具のパーツを用いてとんぼ玉を繋げ、全体をデザインするのですが、その際は海外から取り寄せたものを使います。
ポーランド、ドイツ、イタリアやリトアニア、香港など現地バイヤーを通してパーツを取り寄せています。

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Q.作品を作る上でテーマはありますか?

そうですね、その年ごとのテーマを決めます。テーマが決まると「色」が決まるんです。全部で200色位あるガラスから、使う色を絞ります。

作品を作る上での一貫したテーマは【スポーティーエレガンス】です。最近はパンツルックの女性が増え、カジュアルな装いを好む方も少なくありません。そんな中で、アクセサリーによってエレガントさを加えられたらもっと良いのでは…と考えています。

ちなみに、この秋から1年間のテーマは『モネの庭』です。モネの庭は、自分で作った庭だけれど人工的になり過ぎず、〈自然美〉もありますよね。そして四季ごとに折々の花が咲く。睡蓮もあれば菖蒲や百合もあって、小川を覗けば水草も見えます。
そんな風に次の1年は、四季ごとの彩りや〈自然美〉を意識した作品作りをしていきたいと思っています。

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Q.海外の宝飾展にも参加されたそうですね。

そうですね、上海2回、ソウルで1回、宝飾展に出店しました。
東京のビッグサイトで開かれたジュエリーフェアへ買い物に行った際、知り合ったバイヤーの方からお声掛けいただいたのがきっかけでした。
出店してみて海外ならではの経験をすることができましたし、貴重な機会だったと思います。

そのバイヤーの方とのご縁で、その後東京の三越さんでも個展を開かせていただくこともでき、ご縁の大切さを感じました。

Q.今後の展開についてお聞かせください。

来週は藤枝市内で個展、その翌週は千葉市の百貨店に出店することになっています。
その後は浜松市、静岡市でも個展を開催する予定です。

来年はこれまでのように個展を開催しつつ、ご注文をいただいてから制作するオーダーメイドにも力を入れていきたいと考えています。
それからワークショップも開催し、お子様から大人の方までとんぼ玉作りを体験していただけるような機会を作っていきたいです。

Q.エフドアについてお伺いします。エフドアを知ったきっかけは?

一昨年の秋、市の広報を見て「私サイズの小さな起業講座」を知りました。申し込んだ時には、あいにく受付が終了していたのですが、年明けの同じ講座には申し込むことができました。エフドアのことを知ったのはその頃のことです。

しばらくして《第3回志太ビジネスプラングランプリ》への参加も声を掛けていただき、その準備のためにエフドアを利用するようになりました。

エフドアは、何もわからない人にも色々なヒントをくれますし、私も随分助けていただきました。

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Q.今後エフドアを利用したいとお考えの方に一言お願いします。

エフドアには今まで利用された方々の知恵、ご指導くださる方の知恵があると思います。実際に経験された方の声は重みがありますし、成功例だけではないだけに心に響きます。
どうしたらいいのか具体的に方向性を示してくれますから、現実的に《ちょっとの一段》を目指す時など、とてもためになるのではないでしょうか。

~インタビューを終えて~

岩澤さんへの取材を通し、岩澤さんの作品一つ一つが素晴らしい技術によって作られているということを改めて感じました。とんぼ玉に出会ってからの尽きない創作意欲を支えているのは、「良いものを創りたい」という岩澤さんのひたむきな想い。どの作品にも溢れるその想いを感じながら、これからまたどんな素敵な作品を作り出されていくのだろうと、とても楽しみな気持ちになりました!岩澤さん、ありがとうございました。

☆後日、岩澤さんの個展にお邪魔しました!訪問記はこちらからご覧ください。
【とんぼ玉創作工房 函屋】さんの個展を訪問

★☆★岩澤さんの今後の主な活動予定はこちら★☆★
・クリスマスフェスタ2016(ツインメッセ静岡):12月10日(土)・11日(日)
→クリスマスフェスタ2016のホームページ
(とんぼ玉創作工房 函屋のブースは『南館・134』)

・デジタルアート美術館2017(東京スカイツリータウン):2017年1月27日(金)~29日(日)
→イベント情報

【とんぼ玉創作工房 函屋(はこや)】

岩澤佐知子さんブログ『とんぼ玉函屋コレクション』
連絡先: tonbodamahakoya@yahoo.co.jp

エフドア利用者の声

お気軽にお問い合わせください。 TEL 054-637-9008 火~金曜日9:30 - 20:00 (図書館休館日を除く)
土曜日・祝日9:30 - 17:30

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