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エフドア利用者の声【第7回】杉山有子さん~ エピスリー芒種 オーナー~

お名前 杉山 有子さん
店名 エピスリー 芒種(ぼうしゅ)       
~ワインと食材の店~
業種 ワインショップ
店舗所在地 藤枝市駅前3-18-1 渋谷ビルB
杉山さんと村松C

「エフドア利用者の声」、第7回は今年2月に【エピスリー芒種(ぼうしゅ)】をオープンした杉山有子さんです。大きなワインセラーを備えた杉山さんのお店では、選りすぐりのワインはもちろん、ワインに合うサイドメニューも店内で楽しむことができます。今回はそんな杉山さんの店【エピスリー芒種】を訪問させていただき、ワインにかける思いや起業のいきさつなどについてお話を伺いました。

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Q.杉山さんと、ワインとの出会いについてお聞かせください

最初に就職したのは、大阪にある飲食店でした。まだバブルの終わりに差しかかった頃だったので、ボルドーワインの5大シャトーがどんどんオーダーされるような時代でした。
調理場で働いていた私も、勉強のためにそうしたワインを飲ませてもらうことが多かったんです。これが私とワインとの出会いでした。

やがて調理場の仕事より、お客様と直に接する仕事の方が向いていると気がつき、接客の勉強をしようと思い立ちました。その時に受けようと思ったのがワインソムリエの資格でした。まずは日本茶アドバイザーなどの資格を取り、準備をしながらソムリエ資格に挑戦し、合格することができました。

Q.起業するまでのいきさつは?

その後、ご縁があってKOマートのお酒部門で働く機会をいただき、3年間の勤務の中で接客について多くのこと学びました。
ワインの担当になったため、日本産ワインをお客様にご紹介したいと各地のワイナリーに足を運びました。通常なかなか取引をしてもらえないようなすごいワイナリーさんからワインを卸していただるようになったり、その美味しさをどうにかお客様にお伝えしたいと工夫をしたり、本当に学ぶことがたくさんあった3年間でした。そうした中で少しずつ、「自分の店を持ちたい」と思うようになっていったんです。
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Q.起業を準備する上で大変だったことは?

正直、全部が大変でした(笑)でも逆にやることがたくさんで考えてる時間なんてなかったので、前を見て進むだけでしたね。あまり悩まず、やるしかない、前に進むしかないっていう感じでした。

起業した今でも大変なことはあります。例えば、「これは売れる!」と思ったものがそうでなかったり、逆に自分が意図していないものが売れたり。
先日も私のオリジナルグラノーラを販売してみたのですが、それがワイン以上の売れ行きでした(笑)

でも毎日が本当に充実しています。今まで知らなかった人と知り合えたり、そこからまた広がって、その方のお友達が店に来てくださったり…そうした広がりがとても嬉しいです。

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Q.お店で人気なのはどのようなワインでしょうか?

日本のワインをはじめ、イタリア、フランスなど海外のワインも置いていますが、よく出るのはやはり日本産ワインです。他のお店にあまり置いていないような、ストーリーのあるワインをお求めいただくことが多いですね。

日本のワインでは、ワインづくりが盛んな山梨県のワインもありますし、他には滋賀県や山形県などのワインも扱っています。

山形県には「タケダワイナリー」という高名なワイナリーがあるんです。各国の首脳を招くサミットでも御用達のワイナリーなのですが、業界では知る人ぞ知るそのタケダワイナリーのワインも置いています。

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Q.ワイナリーに足を運ばれたと伺いましたが、行動力が素晴らしいですね。

作る側も、それを欲しいと思う側も、お互い顔を見なければ分からないと思うんです。
食品もそうですがワインって、作り手にとっては「作品」みたいなものなんですよね。私たち買い手はそうした「作品」を取り扱っている、だからこそお互いを知るということがとても大切なんだと考えています。

Q.なるほど。杉山さんのワインへの想いの深さが伝わってきます。

はい、中でも私は国産のワインが本当に好きなんです。

もともと、日本ってワイン作りには向かないとされていました。10数年前、私が自然派のビオワインに傾倒していた頃、ふと思い立って、あるワイナリーさんに連絡をし土を見させてもらったことがありました。土の形状や香りを直接確かめたいと思ったんです。
でも当時私は海外のビオワインにはまり込んでいたので、日本のワインに手を伸ばす機会はその後もなかなかなかったんですよね。

それを変えたのが、一杯の日本産ワインでした。
旅先でたまたま泊まった宿で、オーナーさんが日本産ワインを出してくださったんです。そのワインを飲んだ時、海外のビオワイン一辺倒だった私の考えが激変しました。そのくらい、衝撃の美味しさだったんです。そこから一気に日本産ワインにのめり込みました。

たくさんの努力を積み重ね、試行錯誤をし、10年程で土をはじめ環境を改良していった。それこそまさに人生をかけて、皆さんワインに向き合っているんです。私が日本産ワインをこれほど好きなのは、ワインを通し、作り手の方々のワインづくりに掛ける思いや生き方を感じるからだと思います。

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Q.どのようなお店にしたいと考えていますか?

私の店はワインだけでなく、こだわりを持ってセレクトした食品も扱っています。それに加えて店内でワインはもちろん、紅茶なども楽しんでいただけますし、チーズやドライフルーツなど飲み物に合うサイドメニューも提供しています。…そのため、「何屋?」ってよく聞かれます(笑)。

私はなにより、色々な方に気軽に来ていただける店づくりをしたいと考えています。大人だけでなくそのお子さんも一緒に、みんなでワイワイするような。今では「角打ち」を知らない方も多いようですが、昔の酒屋さんでは角打ちといって、ふらっと立ち寄って一杯楽しむことが日常にありました。
そうしたイメージで、お客様が気軽にいらして楽しんでいただける、そんな店づくりをしていきたいですね。

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Q.エフドアについてお聞きします。利用したきっかけは何でしたか?

昨年駅南図書館で開催されたセミナーに出席した時、村松コーディネーターに話し掛けたのがきっかけです。「私、ワイン屋始めたいんです!」って(笑)そこから急に話が進み始めました。
その後必要に応じていくつかの支援機関のお世話になりましたが、最初にエフドアで話したことによって「実現できるんだ」という思いが固まり、一歩を踏み出せたように思います。

Q.では、これから起業しようと考えている方々へ一言お願いします。

私もそうでしたが、客観的に話を聞いてもらうとそれだけで整理がつきます。必要に応じて助言をくださったり、他の支援機関につないでいただいたり、必ずプラスの何かがあると思いますので、エフドアへ足を運ばれることをお勧めします。

Q.最後に、お店の紹介をお願いします!

当店では日本産ワインと海外のワインの中でも、自然派ワインを主にセレクトしています。
自然派ワインと一口に言っても段階があり、その中に「ビオディナミワイン」というものがあります。これはシュタイナーが説いた農法に沿い、とても厳格な規定に基づいて作られたワインなのですが、私の店でもこの「ビオディナミワイン」を扱っています。開けてすぐは土のような匂いが若干するんですが、3~4日すると劇的に良い香りに変わるんです。そのほか全段階の自然派ワインを取り揃えていますので、それぞれのワインがもつ美味しさを楽しんでいただけたら嬉しいです。

食品やコーヒー・紅茶などの飲料も置いていますが、うちにしかないものを扱いたいため、問屋さんを通さず直に取引をしています。コーヒーは京都のコーヒー屋さんから、味噌やしょうゆは熊本から、その道に通じたプロの方々の手によるものを選んでいます。調味料が良いとシンプルな調理法でも本当に美味しい料理ができるので、ぜひ試していただきたいですね。

それから近日中に、店内で料理教室を開催しようと計画しています。以前料理教室で講師をしていたことがあるので、その経験をもとに、より多くの方に美味しい料理と楽しい時間を提供できたらと考えています。料理教室についてはfacebookなどでお知らせしていく予定ですので、ぜひご参加ください。 

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~インタビューを終えて~

杉山さんの店【エピスリー 芒種(ぼうしゅ)】は、温かな日が差し込み、オーナーの杉山さんそのままの明るい雰囲気に満ちた空間でした。
大きなワインセラーにはたくさんのワインが並び、杉山さんが厳選した食品や飲料も棚に数多く置かれています。立て掛けられた黒板には、お勧めのワインやつまみのメニューが書かれていて、その場で注文することができます。買い物をしたり店内でワインを楽しむのはもちろん、杉山さんとの会話も楽しめるとても素敵なお店でした。
取材中にはワインのことも教えていただき、とても勉強になりました。杉山さん、ありがとうございました!


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